2015/06/06

私の少女

二つの「痛み」が出会い、希望にふれる。

京都シネマで韓国映画『私の少女』(原題:도희야)を観た。海辺の村に左遷された元エリート警官ヨンナムは少女ドヒと出会う。満足度★★★★☆。


チョン・ジュリ監督の長編デビュー作品。女性監督ならではの視線を随所に感じた。「まだまだ女性が生きづらい」韓国社会の闇部分を映し出す。ストーリーは、女性警官(所長)と少女の二人の出会いだが、他にも老女や村のおばちゃん達、キーマンの訳あり女性など様々な女性が登場する。そう、タイトルのとおり「女性が中心」の映画なのだ。男性陣は脇役。

映画内容から少し離れるが、日本(韓国も?)は、表向きは「男性社会」なのに、実社会は皆さんが実感しているように「実際は女性を中心にまわっている」みたいな「パラレルワールド」という連想もした。表裏関係でバランスが保たれているのか、またや実社会の実情に合わせて、表社会(組織のポストなど)も「女性中心」にまわせば、様々な社会問題が解決されるのでは、と考えるか。さてどちらか。

また「アルコール中毒、家庭内暴力、セクシャルマイノリティ、外国人の不法就労問題」など社会問題も映画のテーマに。つまり「心」の問題。「監督が何を伝えたいか」を考えながら映画を観ると面白い。邦画よりも韓国映画はストレートな表現なので、そこに情熱やらパワーを感じる。

ペ・ドゥナが主人公の警官役。『リンダ・リンダ・リンダ』(2005年、山下敦弘監督)、『空気人形』(2009年、是枝裕和)以来の久しぶりのペ・ドゥナ。ハリウッド・デビューして、今回は2年ぶりの韓国映画復帰だとか。ペ・ドゥナが主演なので観に行ったのだが、ペ・ドゥナファンだったことも思い出した。この映画もペ・ドゥナならではの役柄だった。眼力、瞳のパワーというか・・、さすが。この映画の続編などで、もう一度ペ・ドゥナの警官役を観てみたい。

警官(所長)役のペ・ドゥナ

予告編『私の少女』

0 件のコメント:

コメントを投稿