2011/04/16

平成ジレンマ

2011/4/16 京都シネマで映画『平成ジレンマ』を観る。戸塚ヨットスクールの軌跡と今のドキュメンタリー。「戸塚ヨットスクール」と言えば代名詞のような「体罰の是非」という賛否両論はさておき(判断は映画を観た後で各自が行えばよいだろう)、かなり衝撃的な内容であり、「教育」について色々考えさせられる映画だった。満足度(衝撃度)★★★★★。


この手のドキュメンタリーは「プライバシー」との兼ね合いが非常に難しいと思うが、そこを乗り越えた良作、力作だ。一番衝撃的なシーンである女の子の死も無駄、無意味ではなかったと思う。他の生徒や校長はもちろん、映像になって映画を観るたくさんの人に大きな影響を与えている。

成長していく小学生の男の子にも焦点が当てられており、変化する彼の目が印象に残った。自分の大学時代のヨット部の経験と、戸塚ヨットスクールの映像が、かなりだぶついてみえた。ヨットをすることで、「海」という大自然から色々なことを学び鍛えられ成長することは確か。また、「ヨット部」という「団体行動」を通して人は大きく成長する。後者の方が寄与率が高いとも思った。

戸塚校長が伝説的なヨットマンだったから、教材が「ヨット」であるだけであり、本質的なとこは、「団体行動により社会性を身につける」というとこにあるのでは。だから、登山やアウトドア、他のスポーツ、農業体験、旅行など、「教育」は色々な題材で可能なはずだ。「やり方の方法や度合い」については、正解はなかなか難しいが、やらないことには何も起こらない。

日本の教育が「学力偏重」というとこに大きな問題があると思う。そこからはみでた子供達が、現在の日本社会に適応できずに問題スパイラルに陥る場合が多いのでは。「学力」という一つの側面でしか、測定しない教育・社会システムにメスを入れれば、救われる子供・家庭が少なからず増え、まともな社会に近づくのではないだろうか。

情熱を持った教育者がいつの時代も求められ、それは学校の先生だけとは限らず、色々な大人が「自分の得意分野」で行えるのではないだろうか。ある意味、「情熱」と「アイデア」しだい。そういった社会貢献としての「教育的な取り組み」が実施しやすい社会を構築できたらいいなぁ、映画館を出てから思った。

【公式サイト】http://www.heiseidilemma.jp/

【予告編】



【戸塚ヨットスクール】http://goo.gl/zlsJr

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