2013/01/10

書籍『リブセンス』

上阪徹『リブセンス<生きる意味> 』を読み終わった。25歳の最年少上場社長(村上太一)の話。満足度★★★★★。

先日、テレビ番組「カンブリア宮殿」で取り上げられていた会社と社長。とても興味深い番組内容だったので、書籍も読んでみた。

村上太一社長は「これまでの経営者スタイルと異なる」と言われる。しかし、それは枝葉の部分であり、本質的なところは、松下幸之助やGoogleの理念に位置づけに近い気がする。「いかに顧客の役に立つか⇒皆の幸せのために」という部分。こちらの方が実は「経営の王道」であり、少し前に流行った「マネー第一」みたいな方が「経営の邪道」なのだろう。

村上太一社長に影響を与えた本ということで登場した『モチベーション3.0』は読んだことはあるが、『いつか、すべての子供たちに』はまだなので、今後読んでみよう。「会社における理念の大切さ」がわかりそうな気がする。

上坂徹『リブセンス

【『リブセンス』の語録】

・人の不便をなくし、世の中の役に立ち、事業を大きくして、社会に良い影響を与えたい。「なくなったら困るような、文化となるウェブサービスを作る」のが目標。利益を上げるのが最大の目的ではない。

・リブセンスの経営理念の言葉「幸せから生まれる幸せ」。人を幸せにすることによってこそ、自分達も幸せになれる。⇒リブセンスが、本当に「顧客の幸せ」を考えてビジネスを行なってきた。

LIVE=生きる、SENSE=意味。リブセンス(社名)=生きる意味

・「成功報酬型」「採用祝金」のアルバイト情報サイト。リブセンスが強豪に真似されても負けない理由。「ノウハウの蓄積」「先行者利益」。検索エンジン対策(SEO)を自社て取り組んできた。常に検索で上位に表示できる技術を持っている。後から同じビジネスモデルで追いかける側は、何か別のメリットを提供しなければ勝つ目がない。

・自分が株取り引きをしても「世の中で誰かが喜んでいてくれるのか」まるで実感できなかった。ビジネスの一番の魅力は「世の中の課題を解決できる」ことではないか。「不便だと思う事を解決する」のがビジネスの基本。そこには「納得」があった。株取引にはそれがなかった。

・はっきりとした「完成イメージ」を持って、それぞれの役割を持つリーダーたちを動かしていく。進捗の一覧表を作って、スケジュール管理を徹底する。中には思い通りに動いてくない人がいる。そういう場合は「信頼関係」が重要になる事を学んだ。

・マネージャー選びの基準は、「ビジネスがしっかりわかっている」ことと「部下を任せられる」こと。「仕組みが作れる」こと。営業であれば、たくさん訪問したということよりも、仕組みを作れることを重視する。ただ、「新しい仕組みを作れる人」は、そう多くはない。

・「やりたい事」を見つけなさい。そのためのヒントは、「あなたが歩んてきた道」を掘り起こせば絶対にある。(スティーブ・ジョブズ)

・「利益を生み出す構造を作る」ことが大切。なぜなら、「利益が出る」ということは、「その構造が価値を生み出している」からだ。

・『いつか、すべての子供たちに』(ウェンディ・コップ/英治出版)⇒非営利団体「ティーチ・フォー・アメリカ」。全米の優秀な大学卒業生を、二年間、環境の劣悪な公立小学校に派遣する活動。若者は「給料」ではなく「やりがい」を選択。

ウェンディ・コップいつか、すべての子供たちに

・お金のために人は動かない。それはもはや大きな流れ。⇒『モチベーション3.0』(ダニエル・ピンク)。

モチベーション1.0⇒原始時代は、人は自分の生存を守るために行動。
モチベーション2.0⇒工業化社会になって、金銭や懲罰、つまり「アメとムチ」によって働かされた。
モチベーション3.0⇒もはや「お金」のために働かない時代

モチベーション3.0」の3つの要素は「自律性」「マスタリー(熟達)」「目的」。"自律性"とは、自分で物事を決め、好きなように仕事をすること。"マスタリー"とは、言われたことに受動的に従うのではなく、自分から積極的に関わり、より良いものを求めていくこと。"目的"とは、「自分の人生の意義」を問うことである。

ダニエル・ピンクモチベーション3.0

・「普通」だからこそ、自分を客観的に見て、何が得意で、何が苦手かを理解し、自分がどう生かすかを考えるようになる。

・欲しいのは「精神的な豊かさ」。それ以外は普通でいい、普通で十分。実際に、無理に普通を超えた成長を目指そうとして、社会がおかしくなってきたのではないだろうか。

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