2012/09/02

ぼくたちのムッシュ・ラザール


京都シネマで『ぼくたちのムッシュ・ラザール』を観た。カナダ映画。教室で自殺した先生の後任に、アルジェリア移民のラザール先生がくる。満足度★★★★☆。


色々な人種、出身国の人達が混在するカナダは、日本よりも教育現場が大変なカンジ。教室の運営は、先生の力量にかかっているところが大きい。問題児とされた子が教室で思いをぶち撒ける場面では、涙々。生徒の心を開くには、ラポール(信頼関係)の構築が必要。ラストシーンの意味するところは、その場ではわからなかったが、1晩ねかした後「そういうことか」と、この映画のテーマに直結することがわかった。単語でいうと「hug」。物悲しいピアノの旋律も印象的だった。

デジタルの世界では「0」か「1」なので、境界線をハッキリできる。しかし、人間は「アナログな生き物」なので、「これはダメ、これはOK」と明確な線引はできない。つまり「グレーゾーン」が大きい。「状況に応じてグレーゾーンをどのように判断するか」が、人間ならではの能力が試される=アナログ的判断能力。「IQはデジタル、EQ(心の知能指数)はアナログ」というイメージがしっくりくる。

これまでの教育現場では、IQ、EQが混在していたが、IQは電子情報機器が発達したので、その「使いこなし」のリテラシー(読み書き能力)開発にして、EQとは分離した方が良いと思う。特にEQが欠けてはいけない。社会に出てからは「IQ、EQ」「デジタル、アナログ」両方がバランス良く必要になる。従来の「暗記中心詰め込み教育」では「IQ」は問題ないかもしれないが、EQが欠けていると、仕事がまともに成立しないし、効率が悪過ぎる。いかなる仕事も「対人関係」を避けて通ることはできないからだ。


0 件のコメント:

コメントを投稿