2014/07/21

京都ラーメンたかばし

新福菜館と並ぶ「元祖京都ラーメン」と称される京都駅前にある「本家第一旭」が源流という「京都ラーメン たかばし」(BiVi二条店)へ。


「たかばしラーメン(並)」(600円)を食べる。豚骨醤油の澄んだスープでバリ美味!好みバッチリ(鶏ガラスープが好きでないので・・)。次は「熟成味噌ラーメン」(700円)を食べてみたい。

チェーン店で有名な「第一旭」とこの「たかばし」の関係が、よくわからない。源流は同じで、「のれんの枝分れ」したのかな?


2014/07/20

Google採用基準の変化

武田信玄曰く「人は石垣、人は城」。企業にとって「人材採用」は常に重要な課題。少し前に「Googleは採用試験でこんな問題を出している!」というような本が流行したが、現在はそんな問題は出さない(仕事の成果との因果関係が無いことが証明されたから)、という記事が『クーリエ・ジャポン(8月号)』に載っていた。

Google採用責任者の、面接や履歴書で「いかに論理的思考ができるか」というロジックの示し方がとても参考になるな。いかにも米国的!

このようなロジック重視の話し方は、日本では「今どきの企業」にはウケが良く、昔ながらの「旧体質企業」には、逆になじまないというような気がする(論理的でない会社は、そのうち淘汰されると思うが・・)。この辺りの「ロジック欠如な組織」がいかにも日本的、と最近の日本の報道される様々なニュースを見てて思う。


【抜粋内容】

・もはやグーグルは面接において「突拍子もない難問」を突き付けたりしないし、学歴も成績も問わない。技術的な能力に加えて「5つの採用基準」を求める。一番重視するのが「一般認識能力」。様々な異なる情報を臨機応変に処理する能力。以下、「リーダーシップ」「謙虚さ」「自主性」と続く。一番低いのが「専門性」。専門家にその分野のことを尋ねると、「経験にこだわった答え」しか出てこない。素人の方が「新しく価値のある答え」を出しうるのだ。

・グーグルは「何をどこで学んできたか」よりも、「自分の知っていることから、どのような価値を生み出せるか」を大事にする。知らない事を調べるのはグーグルの検索エンジンに任せればいい。

・「教養」の重要性は以前より高まっている。特に「他の分野と結びつく」場合は大事だ。2つの分野が交わることで、興味深いことが起こる。それを実現し追求するためには、2つの分野に精通し、両方を結びつける必要がある。

・教養、つまりリベラルアーツの知識のもと、「総体的な思考ができる人」も必要だし、「機能的な専門知識がある人」も必要だ。そのバランスを取ることは難しいが、もし実現できれば、素晴らしい社会、素晴らしい組織を築けるはずだ。

・履歴書には、「自分の強みを明確に定義する」ことが肝心だ。「Xをすることによって、Yとこれだけの違いが生じ、Zを達成しました」という具合に書く。

・大半の求職者は、面接において「自分の行為の背景にある思考プロセス」を明確にせず、落とされてしまう。「思考プロセス」をうまく説明できないと高く評価されない。だから、「自分の価値を証明」するように語るべきだ。例えば「私にはAという特徴があります。それを証明するエピソードとしてBがあります。そしてCという理由で、エピソードBは特徴Aを説明できるのです」というように。

(ラズロ・ボック/Google採用責任者/COURRiER August 2014)

2014/07/19

きのとや

カンブリア宮殿の今回のゲストは、「きのとや」の長沼昭夫社長。「札幌でケーキと言えば、きのとや!」と言われるぐらい地元でNo.1の知名度を誇る⇒地域密着型経営。「創業3年目のクリスマスでの失敗(注文を取り過ぎて製造が間に合わず)」「1997年サルモネラ菌による食中毒事故(5日間営業停止)」の二つの大失態を糧にして、現在の「おいしさ」に優先する「安全・安心なケーキ作り」を掲げ、また「従業員を大切にする会社」(誕生日に御祝儀1万円+1日休暇、年3間万円のケーキ券配布、年1回の社員旅行)でもある、という話。

「社長がパティシエ(菓子製造人)出身ではない」というのも面白い。ケーキ作りの専門家ではないので、顧客目線に立てるという。なるほど。

「理念」を持った創業者が、地域性などのオリジナル(独自性)を生かし、智慧(アイデア)を駆使して「製品やサービス」を生み出し、苦難や失敗を経験し、それを糧にし成長し、顧客の要望をヒントにフィードバックして「製品やサービス」を磨き、そして従業員のモチベーションを大切にする。

今回の「きのとや」のストーリーも、よくある「カンブリア宮殿ストーリー」に多くが当てはまり、大変勉強になった。きのとやの場合は「北海道」というように、日本では企業が所在するその土地の「地域性」に焦点を当てれば、「強い面白い戦略ストーリー」が描けるな。

食品関係はもちろん、サービス業にしても製造業にしても。そこからビジネスの智慧、アイデアが生まれる。ビジネスは奥が深いなぁ・・。世に言う「学校の勉強」をいくら頑張って、例え極めたとしても、この「カンブリア宮殿ストーリー」とは分野が違う気がする。「学校の勉強」だけでは社会の役に立つかどうかは微妙で(≒未完成)、パズルのピースを全部埋めて完成させるには、「商売の勉強」も必要と思う所以。


【語録】

・札幌のケーキ屋。美味しさアップ戦略。作りたて。ひと手間を惜しまない。こだわりぬいた素材⇒自前の農場「きのとやファーム」で、ケーキに使う素材のフルーツを自社栽培。他所にはない販売方法⇒業界初のケーキ配達。

・美味しいケーキを作る「3つ」の方法。「最高の素材を使う」「鮮度」「手間をかける」。

・「ケーキは人を幸せにする」と考え、36歳でゼロからスタート。業界初のケーキ宅配。予約分だけ作る。宅配は宣伝広告費と割り切った。

・もっと社会貢献のできる、「きのとや」に勤めているプライドを持って、仕事をしたいという思いが社員にはあった。

・「いい会社」とは社長一人でできるものではない。社員みんなのベクトルが合ってつくるから「いい会社」ができる。まさに、そんな時代に入ってきている。みんなで作っていこうと。⇒「社員が誇れる会社を共につくる」

(長沼昭夫/きのとや社長/カンブリア宮殿)

・従業員との「信頼関係」が経営の根幹に関わる時代。

(村上龍/カンブリア宮殿)

2014/07/12

この世界の片隅に

かりた漫画本『この世界の片隅に』(こうの史代)を一気読み。戦時中に広島から呉に、絵描きが好きな「すず」が嫁ぐ話。そして最後には広島に原爆が・・・。読み終わって、感動の余韻が残るいい話(T_T)。満足度★★★★★。

こうの史代は『夕凪の街 桜の国』『長い道』を電子書籍で読んで感動したが、今回の、代表作ともいえる『この世界の片隅に』もベリーナイス!やはり、「こうの史代ワールド」はいいなぁ。


2014/07/11

ラッキーピエロ

函館で地域密着型。東京には進出しない。

カンブリア宮殿の今回のゲストは、「ラッキーピエロ」の王一郎社長。函館で圧倒的な支持を得ているハンバーガーショップ、ラッキーピエロの地域戦略。大手チェーンの真逆を行く戦略。社長の話がとても面白かった。

「ローカル(地域)戦略」「オリジナル(独自性)」「感動」「口コミ」と、カンブリア宮殿ではおなじみの項目がずらり。これらが、大手チェーン店との「差別化戦略」につながる。王社長の口から自然とこれらの言葉が、信念も持った自信とともに語られる。さすが名経営者。函館にはまだ行ったことはないが、行ったときは「ラッキーピエロ」に行こう!こうして、「口コミの輪」が広がっていくのだろう。

全国チェーン展開して、「食うか食われるか」の「弱肉強食、レッドオーシャン」の戦いとは一線を画し、ラッキーピエロのような「地元で愛される、その土地ならではの飲食店」が各地でたくさん育てば、「店、従業員、客、地元」ともどもWin-Winの関係で持続可能なビジネスができる。またこれが、楽しい「食文化、観光」につながる。これからの食ビジネスの目指すべき姿だ。

その土地の「地元」というキーワードを武器にすれば、「お客が頭で食べる時代」に応える「ストーリー」を構築し易い。TwitterやFacebook、Blogといった「ネット」という文化が定着したからこそ、「脱均一」「脱効率化」のメリットが「認知度(ネットの口コミによる)」という形で得られるようになった時代背景がある(従来はTVのCM一辺倒)。それを生かさない手はない。


【王社長の語録】

・全国チェーン店のキーワードは「効率化」。効率的な接客と価格を、お客に提供することが、彼らの強みであり、優れているところ。私達は、そこでは競争をしない。「心に触れる部分」を表現していきたい。

・原価率は50%を超えている(一般は約35%)。売り上げが大きくなるほど、「高い原価率」が許される、と考えている。会社の規模がある程度の大きさになりながら、一つ一つの商品力が少しずつ増してくればいい。そして、「ダントツ地域No.1」になれればいい。

・「地元をもっと豊かにしたい」ので、できるだけ地元の食材を使っている。北海道一円に仲間がいる。理想はオール北海道。地元の農家が命を懸けて育てた作物の命を、そのまま、お客に提供するのが、私達の使命だと思っている。自分の仕事に愛情と誇りを持って、私達も命を懸けて、美味しい料理を提供するぞ、という思い。それは「人間関係」があるからできる。

・私が子供の頃は「食べること」が豊かさの象徴だった。「胃袋」で食べていた。それが高度成長期に入ると「舌」や「目」で食べるようになった。バブルが崩壊してからは、「これは誰がどういうふうに作ったか」と、お客様が「頭」で食べる時代になった。

・私達の店は「地域に役立つ」ためにつくっている。地域の人に愛されない店は、成り立たない。「成長」よりも、地域の人達の愛と幸せを集められるような「もうなきゃ困るよ」という存在になりたい。

・「空間自体」も全国チェーンの均一化に対抗して、全部違う表現にすることによって、お客様が来店動機によって、使い分けられるようにした。

・常連客は「えこひいき」されるべきだ。「超常連客をどうやって作るか」がビジネスで一番大切。

・ラッキーピエロでは、店舗が15あり、兄弟が15人いるというイメージ。大手チェーン店は一卵性双生児が10万人いるというイメージ。兄弟は同じDNAを持っているが、それぞれ顔が違う。共通項も一杯あるが、それぞれが個性を持っていて、地域の特徴にあった役目ができたらいいなと思っている。

・自分の好きなテーマしかやらない。好きだからこそ、それを突き詰めて、深く理解することによって表現できる。流行しているものはやらない。自分の好きなことしかしない。

・仕事をするときには、まず「お客を好きになること」「人を好きになること」が大前提。私達が、お客にいいボールを投げれば、お客からいいボールが返ってくる。お客を愛すれば、お客から愛してもらえる。オーバーではなく「地域の人と長く付き合える存在」になりたい。

・私達はレストランなので「美味しく」なければ話しにならない。1番目は「美味しい」、2番目は「安全」、3番目は「楽しく食べられる」、4番目は「面白い、びっくり」。「普段、味わえないことをラッキーピエロで味わった」と、みんなに教えたくなるようにしたい。

・私達の長期戦略は「お客に感動、感激してもらう」、お客との間に信頼関係を築いて、「口コミ宣伝マン」になってもらい、生涯付き合ってもらいたい。

・現代は、マスマーケティングのように、「一つの表現で、もの凄い数の顧客を獲得する時代」はもう終わったと思う。だから、「小規模な顧客グループに徹底的に楽しんで」もらえればいい。そういうふうに徹底して迫っていけば、少しは本物らしくなる。

(王一郎/ラッキーピエロ社長/カンブリア宮殿

2014/07/06

祖谷物語

「お爺!」、それでも少女は山で生きたいと思った。

京都シネマで映画『祖谷物語 -おくのひと-』を観た。秘境徳島「祖谷」で暮らす、お爺と娘の物語。35mmフィルム撮影の映像美が凄い!ストーリーは観終わってから、タイムラグでじんわりと心に沁みてくる。満足度★★★★★。


園子温監督が「最高!俺は超推薦する。 」とコメントして、さらに「徳島」が舞台の作品なら観にいかない訳にはいかない。

上映時間は約3時間。満席の京都シネマ。映画終了後に、蔦哲一朗監督(30)と主演女優の武田梨奈さん(23)の舞台挨拶。映画にまつわる興味深い話が聞けて良かった。事前に知らなかっただけに、サプライズ的でうれしい。

武田梨奈さんは「頭突きで瓦を割るCM」で有名な空手家アクション女優。今回は格闘アクションは無しだが、崖を落ちたりと、秘境の大自然だけに何かと激しいシーンが。表情が「綾瀬はるか」にとても似ているなぁ、と思いながら『祖谷物語』を観た。この映画の魅力の半分は、武田梨奈さんの春菜役にある。

蔦哲一朗監督と武田梨奈さん(主演)の舞台挨拶

蔦哲一朗監督は祖谷近くの徳島池田町出身で、祖父が甲子園を沸かした有名な池田高校野球部元監督の蔦文也なのだとか。舞台挨拶では、「デジタル撮影ではなく、35mmフィルム撮影にこだわった理由」や、「もののけ姫やトトロなどジブリ的な世界観をイメージして、この映画を作った」「武田梨奈さんには演技ではなく、素を求めた」「ラストシーンの意味(自然に戻っていく)」「お爺役の田中泯さんに、出演オファーのため、FAXで何度もやり取りをして、シナリオ説明や熱意をアピールした」「河瀬直美さんの演技はおそらく素(笑)」「宿から車で1時間、そこから撮影現場まで1時間山登り」など、作品の理解が深まる話が聞けた。

蔦哲一朗監督、武田梨奈さんともに今後の映画作品が楽しみだ!

テーマは「自然との共生」。祖谷の住民は、「山に残るのか、都会に出るのか」の選択を迫られる。逆に、都会から、自然の中での生活を求めて「外部の人」が祖谷やってくる。これまた、映画『Wood job』に続き、この前読んだ新書『里山資本主義』とつながる話だな。「里山」テーマに関心が行くと、最近色々と関連ごとに出会う機会が増えてきた。

予告編『祖谷物語