2015/05/31

みんなのアムステルダム国立美術館へ

美術館は誰のもの?

京都シネマで映画『みんなのアムステルダム国立美術館へ』を観た。10年におよぶ美術館改修をめぐる大騒動のドキュメンタリー。満足度★★★★☆。


市民社会の先進国オランダでは、いかにして議論して物事を進めるのか、という点を観たかった。期待どおり、侃々諤々(かんかんがくがく)の議論で、もめにもめる。予定は大幅に遅延(最終的には改修期間10年!)。しかし、最後は、何事もなかったのように工事は無事終了して、入場者数が大幅に増加し、大成功を収める。途中、館長が辞任してしまったりするが、こういう場では「組織のまとめ役」が大変で、かつ重要な役割だな。

映画中のオランダ市民社会の様子は、最近おとなしい日本人社会とはだいぶ違う(安保闘争の時が最も激しかった?)。日本の場合なら、想像だが、お国や美術館上層部が仕様を決めたら、皆はそれに従うだけなので、ある意味スピードは早い。それぞれ長所短所があり、どちらが良いかは、それこそ市民が決めることかな。

ただ、最近の「ヤジ国会」みたいな議論未成熟ぶりが露骨に表れている日本からすると、それぞれの立場の人達が「意見をハッキリ表明」して、活発に議論し合うオランダ社会の姿はうらやましく思えた。レンブラントの『夜警』が何度も登場するが、オランダ市民社会の「自分達のことは自分達で決める」という、「これぞ民主主義」という姿を暗示している。

レンブラント『夜警』(De Nachtwacht)

会社という組織でも、「議論の成熟度」という点で、オランダ(外資系企業)-日本間で、似たような差があるのやろね。感情をコントロールして、意見の中身で「論理性」を議論できるよう組織になりたい。



2015/05/17

パンズ・ラビリンス

iTunesで映画『パンズ・ラビリンス』を観た。スペイン内戦後の暗黒時代。少女オフェリアがラビリンス(迷宮)に入り、守護神パンの試練を受ける。PG12指定のダーク・ファンタジー。涙ちょちょ切れる大感動のラスト!満足度★★★★★。



「2007年京都シネマベスト10」の洋画部門第二位。前から観たかったが、やっと観れた。iTunesで「オススメの1本」ということで100円でレンタルできた。グットタイミング。

映画を観た後、Wikipediaで調べるなどして、映画の時代背景である「スペイン内戦」について色々と知ることができた。なぜメキシコ出身のギレルモ・デル・トロ監督が、テーマとして「スペイン内戦」を取り上げたのか、という疑問があった。それについては、スペイン内戦で、メキシコが共和国軍を応援した数少ない国の一つであり、内戦後に亡命者を多数受け入れた。その中心の多くが知識階級だった。ここまではネット情報で、おそらく、監督は亡命者の末裔か関係者なのだろう、という推測。これは、どこにも書いてなかったが。というふうに、「監督、メキシコ出身、スペイン内戦」が頭の中でつながった。

また『パンズ・ラビリンス』は、第79回アカデミー賞(2007年)で、外国語映画(スペイン語)にも関わらず「アカデミー撮影賞」「アカデミー美術賞」「アカデミーメイクアップ賞」を受賞するという快挙を成しえている。これについては、ギレルモ・デル・トロ監督が、「日本アニメ」の大ファン、つまり「オタク」という要素なしでは語れない、そうだ。「残虐なシーン」もあり、観る前のイメージと、観終わったときのイメージのギャップはかなり大きい。少女が主人公だが、間違っても子供向きのファンタジー映画ではない。

この映画は、理不尽な現実の世の中(スペイン内戦)で、少女が夢見た空想世界。まさに「ダーク・ファンタジー」。ラストシーンの魂が揺さぶられる感動は、映画『タイタニック』のラストシーンで、「主人公が若かりし時代の姿になり、当時の姿の皆がいるタイタニック号の中に戻っていくシーン」のときの感動に似たものを感じた。こういうのに、とても弱い・・。
「世の中は残酷なのよ」というセリフで、『進撃の巨人』で出てくる「世の中は残酷だ」というセリフを思い出した。総評として、口コミの高評価どおり、とても良い映画だった。

【語録】
・人生はおとぎ話ではないし、世の中は残酷なのよ。それを学ばなくては。たとえ傷ついても。魔法なんて存在しないの。

予告編『パンズ・ラビリンス』

2015/05/01

武庫川渓谷

トンネルを抜けると、そこに鉄橋はあった・・。

武庫川渓谷の廃線跡歩き。メインディシュの鉄橋渡り。気分はスタンド・バイ・ミー!

武庫川渓谷の絶景と廃線跡(枕木、トンネル、鉄橋)の組合せがめちゃ良かった。宝塚のすぐ近くにこんな自然散策コースがあるとは驚き。

廃線跡とトンネルと鉄橋

武庫川渓谷

新緑の中で活動中の幼虫さんに遭遇

宝塚駅から1駅のJR「生瀬駅」で降りスタート

「JR生瀬駅⇒武庫川渓谷⇒JR武田尾駅」というコース

中国自動車道を越えた辺りから廃線跡歩きのスタート

公認コースではないらしい。整備して「観光コース」にしたらいいのに。

警告板を越え、いざスタート!

武庫川渓谷には巨石がゴロゴロ。迫力ある渓谷の眺めが続く。

1つめのトンネル

トンネル内部。光がそのうち届かなくなり暗闇の世界へ・・。

トンネル内は、まったく照明はないので、懐中電灯が必須

まるでニョロニョロみたいなトンネルの模様

枕木が残る廃線跡を歩くのは楽しい

412mもある2個目のトンネルを抜ける

巨大な岸壁

渓谷の荒々しい流れ

爽やかなGW日和。めちゃええ天気やで。

新緑

廃線跡はつづく

短いトンネル

枕木がゴロゴロ

兵庫登山会の看板

何本かのトンネルを抜けると・・その先に

鉄橋登場!

鉄橋の横道を渡る

廃線跡ならではの迫力!

武田尾駅側の廃線跡は整備されている

北摂里山博物館。「地域まるごとミュージアム」というコンセプト。色々な山歩きのコースがあるようだ。

桜の名所

宝塚「桜の園」。宝塚歌劇団みたいな名前だな。30分~1時間ぐらいの周回コースがあるようだ。ここも歩いてみたい。

このあたりは「親水公園」が整備されている

本日最後のトンネル(6本目)。5層の立派なつくり。

トンネルの暗闇と新緑のコントラストが美しい

いつか土に変える枕木

枕木や 明治時代の 夢の跡 (gonn)

駅で昔使われたものかな?

武田尾温泉に到着

武田尾駅を越えしばらく歩くと「足湯」がある

歩き終わった後は、武田尾温泉の足湯(無料)で一服

武田尾駅からJRに乗り京都へ帰る


「廃線跡歩き」の楽しさを存分に実感。非公式だけど、人気の散策ルートらしい。「渓谷、廃線跡、トンネル、鉄橋、温泉」と、こんだけ好材料が揃っているので、整備して「公式散策ルート」にすれば、人気スポット間違いなし!だと思うのだが。