ネットレンタルで映画『サウルの息子』を観た。アウシュビッツでゾンダーコマンドの主人公が、息子を埋葬するためラビ(ユダヤ教聖職者)を探す。満足度★★★★☆。
サウルの息子(SON OF SAUL)
38歳の新鋭、ハンガリーのネメシュ・ラースロー監督、長編初作品。第68回 カンヌ国際映画祭(2015年、、グランプリ)、第73回 ゴールデングローブ賞(2016年、外国語映画賞) 、第88回 アカデミー賞(2016年、外国語映画賞)で受賞!
撮影方法が特殊。「被写界深度の浅い映像」と「肖像画のような狭い視野」にすることで、極限状態におかれたゾンダーコマンドの「心の目を閉じた心理状態」を表現。 観客の視点をコントロール。
アウシュビッツの 「ゾンダーコマンド」(同胞であるユダヤ人の死体処理に従事する特殊部隊)という、「あまりにも非人間性な環境(死の工場)」で、「人間性ある動き」が・・。証拠隠滅に抗い、極限状態の詳細を何としてでも、写真や手紙などで、事実を後世に伝えようとしたゾンダーコマンドの密かな努力(後に発見された)が映画の題材になっているらしい。
「これは2016年のNo.1映画だ!アカデミー賞確実だろう」という町山智治さんの 『サウルの息子』 に対する解説を聞いた後、映画を観たので、ストーリーの理解はできた。その分、先入観なく観た場合の「何だこれは!」という衝撃は薄らいでしまったかも。音響面も含めて、これこそ「映画館で観るべき映画」だったかもしれない。
町山智浩さん解説『サウルの息子』(たまむすび)
予告編『サウルの息子』